■平成18年2月定例会

19番(吉田 政司君)
質問に先立ちまして,先般逝去されました森本議員に対しまして,心から哀悼の意を表し,謹んでお悔やみを申し上げます。
それでは,お疲れと思いますけども,通告に従いまして質問をさせていただきます。
我が岡山県も,改訂第3次行財政改革大綱の策定など,行革などにも相当に頑張っていると思うのですが,我が県を初め,世の中なかなかよい方向に向かっているような話を聞きません。あれが悪い,これが悪いと言いながら進んでいるのですが,本当に足を地につけて歩いているのかと考えたりもします。どうしようもないこと,本当はそんなに大変でもないこと,実は物すごく大変な状況に追い込まれているのに,自分の置かれているところがよくわかっていないことなど,さまざまであります。さきの議会で質問しましたように,例えば,食料の自給率は,国全体では大変のように言われておりますし,私自身がそう思ってまいりましたが,実はそんなに大変な問題ではないのではないかと思うようにもなったと申し上げました。

少子化対策として大胆な対応を!

それはともかく,このような問題の最たるものは,やはり少子化の問題と思います。子供の出生率が下がっていき,人口が減少していることの大変さが言われているのですが,どこまで実感できているのか,そして私たちのように行政に携わる者がこれからの施策をどのようにするのかということに心をはせるとき,ある程度の手ごたえや共感を持って進んでいるとは余り思えません。
ここで,昨年の暮れ,経済産業省の地域経済研究会による「人口減少下における地域経営について」という報告がなされました。いよいよ現実のものになりましたこの人口減少,少子・高齢化などの進展のもとで,中長期的に地域経済がどのように変貌していくのかを具体的に展望するとともに,我が国として目指す地域経済の姿やそれを実現するための施策の方向などの検討を行い,その取りまとめが報告されたものです。その報告を少し御紹介したいと思います。
まず,2030年の地域経済を展望しており,その時点の人口は東京都市圏を除くすべての都市圏で減少しています。域内総生産は,大都市を中心とする35の都市圏を除く大半の都市圏で縮小するなど,地域経済は厳しい局面に直面するという結果を発表しております。この調査では,全国を269の都市圏を設定しております。岡山県の場合を見ますと,岡山市,倉敷市を中心とした赤磐市の大半や備前市もエリアに含めた都市圏と,津山市を中心にした都市圏を設定しています。また,ちなみに,笠岡市や井原市の大半は,福山市圏域に入っております。要するに,東京を初めとして全国を269の区域に分けたのではなく,経済圏域を設定しているので,過疎地域は除外されているというのが大きな特徴の一つであります。しかも,人口は全国的に減少していくのですが,東京だけわずか0.8%増加が予想されております。岡山市圏域では8.5%,津山市圏域では22.6%減少するとの予想になっています。そして,域内総生産は全国269圏域中わずか35圏域しか増加成長しない見込みになっておりまして,この中四国地方では,この岡山市圏域と広島市圏域の2つの圏域のみがプラスになっております。もちろんこれは現在の延長線上での予測でありますから,必ずしもこのようになるとは言い切れませんが,当たらずと言えども遠からじといいますか,大いに参考にしたいものであります。最近厳しい話が多い岡山にありまして,多少とも明るい希望が持てるデータではないかと思っているわけであります。
さらに,研究会では,人口減少の影響を小売業など生活密着型産業が厳しい状況に置かれる,住宅や学校などが遊休化し,維持コストが地方財政を圧迫する,住民の居住密度が低下して地域社会のつながりが希薄化するなどと分析をしております。結論としまして,まさに選択と集中による地方経営の重要性が指摘されており,地域経済への波及効果の高い産業や競争力のある地域外産業の重点的振興,少子・高齢化社会に対応した地域内の市場,産業の育成,都市機能の集約化による再構築,公共サービス,公共インフラの各市町村単位のフルセット主義からの脱却などが指摘され,結論としまして,国の役割として,複数市町村の共同連携事業をこの経済社会圏単位で支援するとの方向が示されているわけであります。
そこで,何点かお伺いします。
この人口減少がなぜ経済成長の妨げになるのか。基本的な認識として,また,問題点を整理する意味として,お伺いをいたします。この観点から,人口減少社会に対応した産業の育成が指摘されていますが,どのようなものが考えられるのか,お伺いしたいと思います。
また,さきの報告では,都市機能の見直しが指摘されておりますが,例えば,岡山市とか倉敷市などの県内の2大都市の機能は今後どのように変わり行くと考えられるのか。また,どのような観点から見直しが考えられるのか,御所見をお伺いしたいと思います。
県内でも,市町村合併が推進されたのですが,現実的には,さらに広域での連携,その最たるものが岡山市と倉敷市ではないかと思いますけども,連携の必要があると思っております。本当にこの岡山地域の活性化をなそうと思うのであれば,この連携の必要を含め,知事はこの広域連携を今後どのようにお考えになるのか,御所見をお伺いしたいと思います。
ことしの7月には,小泉政権最後の骨太の方針が出されると思いますが,選択と集中といいますか,ますます競争格差に拍車をかけるような施策,ある意味での地方の切り捨てのような提案がされるのではないかと危惧しております。今回の報告書などでも,確かにあらゆる地域がみんな一緒というわけにはいかなくなりそうであります。地域的投資の集中により,生き残りをかけた施策を推進せざるを得ないと思いますが,選択・集中されない地域も当然出てくると思います。このような時流の中で,過疎地域などをどのように位置づけられるのか,御所見をお伺いしたいと思います。
この項最後になりますが,少子化防止の対策として,経済支援がありますが,私は特にゼロ歳児の保育が大変重要であると思っております。右も左もわからぬこの世に生まれてきて,懐かしい母の鼓動のもとを離れ,いきなり他人に預けられてしまう不安,人間とは教育を受けることなしには育たないという私たち人間の特性を考えますと,千代田区の制度にも見られますように,実は妊娠した時点で子育ては始まっているのです。経済的理由などでやむなく託児所などに預けられるケースがふえてきていると思いますが,脳や体が本格的に発達していくゼロ歳児のこの時期は,できるだけ母親のもとで育てられることが子供にとって重要なことだと思っております。このような言い方をすると,夫婦そろって育てるものだと言われるかもしれませんが,この時期は,やはり母親が重要であり,父親は背後にあって母親を精神的経済的に支えてあげることが最大の役割だと思います。そして,母親を心穏やかにしてあげることにより,赤ちゃんはその安心を感じながら,愛情を感じながら成長をしていくものだと思います。そして,このときの愛情を一身に受けているという安心感が子供の自立と体と心をつくっていくのであります。このような観点から,単に少子化対策にとどまらず,健全な子供の発達を考えた環境づくりからも,ゼロ歳児支援は重要であります。
先ほど申し上げましたように,東京都の千代田区は,ことしの4月から,妊娠5カ月から児童手当の支給に踏み切るようです。また,石川県のように,子育て支援に熱心な企業に対する低利融資制度などもあるようです。乳幼児医療費支援などがありますが,さらに児童手当ならぬ乳児手当といいますか,休業手当といいますか,せめてゼロ歳児のときには特に母親が十分時間を子育てに充ててあげられるための支援が必要と考えます。これは厳しい県財政にあって暴論とも言える提案ではありますが,初めての出産とか,また2人目,3人目のときとか,条件をつけて支援することもできると提案したいと思います。今回の報告書を見ましても,数少ない成長が期待される地域にこの岡山県があることを考えれば,少子化の解消のための大胆な対処ができるのは今しかありません。この10年,20年,いかに手を打つかであります。必要性,また財政面から,知事の御所見お伺いしたいと思います。

瀬戸内海の環境保全のための総合的な管理を!

次は,瀬戸内海と岡山県について伺います。
政府の地方制度調査会が取りまとめた道州制のあり方に関する答申で,3つの区域例が示されしました。かねてから,知事が提案されていました中四国州実現に向けてあらゆる対策を講じていかなければなりません。さらに,その中心足らんとすれば,事実上での実績,すなわち名実とものリーダーシップが必要かと思います。中国地方において,広島は国の出先機関や経済的に他をリードしてきております。このような中で,岡山県がこの中四国ではどのような面でリーダーシップをとっているものがあるのか,まずお伺いしたいと思います。
この中四国州と言うときに,一番の共通点と特徴は,やはり瀬戸内海ではないかと思います。また,それをつなぐ象徴が鉄道併用の瀬戸大橋であります。先ほど申しました,経済的にもこの圏域では十分広島とやり合う可能性は秘めていると思いますが,この瀬戸内海を生かし切るためにも,まずその環境保全と総合的な管理が急がれておりますし,この点で頑張っていくことが重要なポイントになろうかと思います。ここでリーダーシップをとることが,事実上大切ではないかと考えております。昔から,「大きな海は多くの川の水を受け入れ,追い返すことがない」と言われておりまして,海の持つ特性をその包容力の大きさに例えてまいりましたが,もはやその海も余りにも多くの汚染物を受け入れ過ぎたために,死に体になりかけております。
そこで,伺います。
まず,国内最大の閉鎖性海域であり,一度汚染が進むと回復の時間がかかるわけですが,現状と瀬戸内海の水質を改善するためどのような対策が実施されてきましたでしょうか。魚などに被害を与える赤潮の現状を,農林水産部長にお伺いいたします。
魚の生息や鳥の渡来地,また,えさ場として重要な役割を果たしております藻場,干潟の現状はいかがでしょうか,農林水産部長にお伺いしたいと思います。
さらに,このほかに海底ごみが大きな課題になっていると聞きますが,現状と対策につきまして,さらに農林水産部長にお伺いしたいと思います。
また,先日は,吉井川水系と高梁川水系によるダムの放流が行われました。ノリの色落ちに対する試験的な放流と聞いていますが,栄養塩類などの状況はどうであったか。珪藻プランクトンと栄養塩の関係はどうなのか。また,効果があったとも聞いておりますが,状況はどうであったか,お伺いをいたします。
最後に,瀬戸内海沿岸の自治体の活動の場である瀬戸内海環境保全協会の最近の動きと取り上げられている課題などをお知らせください。また,岡山県はどれぐらい貢献しているのか。これからどのようなことを岡山発の情報として発信していくのか,お伺いしたいと思います。

連結バランスシートの有効活用を!

次は,バランスシートの活用について伺います。
先日,連結によるバランスシートが作成されました。負債については,普通会計で1兆4,000億円でありますから,さらに2,500億円が新たに追加されたわけです。この合計した1兆6,600億円が,今後,岡山県が何らかの形で返済していかなければならない可能性を含み,また,この限度を超えない,こういった借金のすべてであると理解してよいのか,お伺いしたいと思います。
この自治体の作成するバランスシートには,その必要性など,まだ多くの疑問があるように聞いております。しかし,私はデータを積み重ねていき,全国がそろって作成するときに意味が出てくると思っております。今後の活用方法などについてどのように検討されているのか,お伺いしたいと思います。

希少性動物保護について

最後に,希少野生動植物の保護について伺います。
種の保存法に基づく国内希少野生動植物に指定されているスイゲンゼニタナゴとアユモドキについて,国において保護増殖事業計画を策定され,今年度県に対し保護事業を委託したと聞いていますがどのような内容か,生活環境部長にお伺いいたします。
また,中でも,国の天然記念物でもあるアユモドキは,瀬戸町の万富が全国でも少ない産卵場所と聞いておりますが,琵琶湖周辺など,最近の生息状況はどうか,生活環境部長にお伺いいたします。
最後に,瀬戸町におけるアユモドキの保護について,最近の状況と今後の取り組みについてはいかがでしょうか。これは教育長にお伺いいたします。
以上でございます。よろしくお願いします。


知事(石井 正弘君)
公明党の吉田議員の質問にお答えをいたします。
少子化対策でありますが,まず人口減少と経済成長でありますが,人口の減少は生産面では労働力の不足による生産の停滞,需要面では国内市場の縮小につながりまして,経済成長へのマイナスの影響が危惧されるところでありますが,逆に教育投資によるすぐれた人材の育成や人口減少率を補う技術革新等による労働生産性を向上させれば,プラスの経済成長も可能であると考えております。
人口減少社会に対応した産業の育成でありますが,競争力の高い産業を育成いたしまして,広く国内外へ販路を開拓し,他地域から所得を得まして,それにより地域内の商業やサービス業等の需要を増大させる経済循環の構築というものが必要であろうと思います。このため,県では,本県の持つすぐれた物づくり基盤を生かしまして,超精密生産技術,バイオ等の物づくり4分野の産業クラスターの形成を目指しておりますが,これらの分野は,他地域との競争にも打ち勝つことができるものでありまして,人口減少社会におきましても,引き続き成長が見込まれる分野であると,このように考えております。また,商業やサービス業など,地域内を市場とする産業につきましては,人口減少の影響を受けやすいということから,市町村などと連携しながら魅力ある商店街づくりや,あるいはコミュニティービジネスの事業化などの支援をしてまいりたいと存じます。
都市機能の見直しでありますが,将来の人口減少に伴います都市機能の変化につきましては,一般論といたましては,お話の報告書にございましたように,住民の居住密度の低下や空き店舗,工場跡地,耕作放棄農地などが増加していく可能性というものが考えられまして,都市機能の弱体化が進むということが懸念されるところであります。このため,岡山市,倉敷市を初め,関係市町が主体となって,これからの人口減少を踏まえながら総合的なビジョンのもとに新たな都市機能の再構築や強化充実に取り組む必要があると,このように考えておりまして,県といたしましては,関係市町と連携いたしまして,広域的な観点から必要な支援,協力を行ってまいりたいと存じます。
広域連携でありますが,住民の日常生活や地域経済活動が市町村の枠を超えていく一方で,多様化する住民ニーズに対応いたしました高度の行政サービスの提供や広域的視点からの地域経営を行うためには,広域連携は一つの有効な対処方法であると考えております。お話の岡山市と倉敷市につきましては,現在,両市において協議会を設置いたしまして,観光や消防などの行政分野での連携を行っておりまして,今後とも,両市において広域連携の意義を踏まえまして,必要性に応じた自主的な取り組みを進めるということは有益であると考えておりまして,県といたしましても,相談や助言等適切に対応してまいりたいと存じます。
過疎地域の位置づけでありますが,県土の約6割を占める過疎地域では,人口減少が著しく進行し,少子・高齢化に伴い,集落機能の低下や地域産業の停滞等が危惧されておりまして,これ以上の地域の衰退を防止し,地域の活性化を図るということは喫緊の課題であると認識いたしております。このため,県では,過疎地域自立促進方針等に基づきまして,生活関連基盤の整備や産業振興などの諸施策を総合的に推進してきたところでありますが,地域の生き残りのためには,地域みずからが地域特性を生かして,自主的で独創的な地域力強化のための取り組みを行うということが大切であると考えております。これを推進するため,既存事業に加えまして,さらに来年度から新たに市町村の創意工夫に基づく定住施策やコミュニティーの維持,地域経済の活性化等の個性的な取り組みに対しまして県として支援することとしておりまして,こうした取り組みによって過疎地域の活力向上や自立的な発展を図ってまいりたいと存じます。
ゼロ歳児の子育て支援でありますが,子育ての負担を社会全体で支える仕組みにつきましては,社会保障や税制なども含めまして総合的に取り組むべきものであると考えておりまして,これまでも国に対しまして児童手当の拡充や保育料の負担軽減など,あるいは御提言いただきましたような内容など含めまして,さまざまな提案を国に対してしてきているところであります。県といたしましては,子育て家庭への経済的支援や子育てがしやすい労働環境の整備などにつきまして,引き続き提案を行いますとともに,新岡山いきいき子どもプランを着実に推進いたしまして,子供を安心して健やかに生み育てられる環境づくりに全力で取り組んでまいりたいと存じます。
次に,瀬戸内海と岡山県について。
まず,中四国におけるリーダーシップでありますが,私はこれまでも,他の地域に先駆けて道州制論議を展開いたしますとともに,中四国サミット等あらゆる機会を通じまして,問題提起するなど,三位一体の改革も含めまして,積極的に地方分権改革の論議の先頭に立ってきたところであります。また,この岡山の地は,瀬戸大橋を通じまして中四国を結び,東西南北に延びる高速道路網や鉄道など,交通基盤の充実した地域でありまして,中四国の交通の結節点でありますとともに,気候温暖で災害が少なく,全国をリードするIT環境,教育,医療・福祉,国際貢献の分野における先進性,吉備文化や数多くの美術館など,文化創造の土壌にも恵まれているなど,中四国の中でリーダーシップを発揮していけるものが数多くあると,このように考えております。
瀬戸内海の環境保全の現状と対策でありますが,瀬戸内海の平均的な水質は,環境基準の達成率で見ますと,CODはほぼ横ばい傾向で約70%,また,窒素や燐は改善傾向にあり,ほぼ達成をしているものの,瀬戸内海の中央部に位置している本県の海域におきましては,達成率が平均よりも低いという状況にあります。このため,他県よりも小規模のものまで対象といたしました環境影響評価や水島地域における厳しい総量規制,児島湖流域等における排水基準の強化などの改善対策を実施してしております。また,下水道整備など,クリーンライフ100構想の推進,海砂利採取の禁止,藻場や干潟の保全・再生,瀬戸内海をテーマといたしました環境学習の推進など,各種環境保全策を総合的に推進しているところであります。
ダムの放流の効果等でありますが,この放流は多くの関係者の御理解のもとで実現したものでありまして,この場をおかりいたしまして関係者に厚く御礼を申し上げる次第でございます。
この効果でありますが,吉井川水系では,放流開始2日後には,ノリ漁場の栄養塩が増加し,この間の降雨とも相まって,低塩分に弱い珪藻プランクトンは減少し,さらに栄養塩が増加したところであります。その後も日を追って色落ちが回復し,現在も生産が継続されております。高梁川水系では,まとまった降雨も重なったところでありますが,珪藻プランクトンの減少や栄養塩の増加は認められず,色落ちも河口部に近い一部漁場でやや回復した程度でありました。この両水系の差は,河口付近の地形や潮流,ノリ漁場の位置などが影響したものと,このように考えておりますが,さらに分析を進めまして,今後の対策に役立てたいと存じます。
瀬戸内海環境保全協会の最近の動き等でありますが,当協会は瀬戸内海の水質保全や水産資源の保護のための普及啓発,調査研究等に取り組んでおりまして,現在,瀬戸内海の環境保全と再生に向けた法整備を課題といたまして,国への働きかけを行っております。本県といたしましては,協会が行う調査研究や環境保全セミナーの開催などに積極的に協力いたしておりまして,今後とも,協会の場におきまして,藻場の再生・拡大を目指す海の森づくり推進事業等,本県における先進的な取り組みにつきまして,情報発信をしてまいりたいと存じます。
最後に,連結バランスシートでありますが,今回連結対象としたもののうち,地方公社や第三セクターにつきましては,県とは別人格でありまして,これらに係る負債につきましては,一部県が債務保証等を行っているものもありますが,これらは,県といたしまして直接返済義務を負っているものではありません。そのため,今回の連結バランスシートにおける負債のうち,県が返済義務を負っているものは,普通会計に地方公営企業会計を加えました1兆5,412億円であります。今後の活用でありますが,まず今回連結バランスシートを作成したことによって,ストック面から地方公営企業や第三セクター等を含めた県全体の財政状況を一覧性のある形でわかりやすく県民に伝えることができ,県財政の一層の透明性を確保することにつながるものと考えております。また,今後の財政運営を検討する中で,ストック面から県財政をあらわしたものの一つとして活用できると,このように考えておりまして,18年度以降も引き続き作成し,他団体との比較や経年変化についての分析を行いながら財政運営の参考としてまいりたいと存じます。
以上でございます。


生活環境部長(中野 行雄君)
お答えいたします。
まず,希少野生動植物の保護事業についてでございます。
国からの委託事業は,国が平成16年に策定いたしましたスイゲンゼニタナゴ及びアユモドキ保護増殖事業計画に基づき,実施するものでございます。スイゲンゼニタナゴにつきましては,昨年度から生息地の分布や生息環境を調査いたしております。今年度は,生息地ごとの遺伝的特性もあわせて調査し,保全対策を推進するための基礎的データを収集することといたしております。また,アユモドキにつきましては,今年度は希少野生動植物保護に対する理解を深めるためのパンフレットを作成するとともに,関係行政機関や学識経験者,保護活動団体などによる保全連絡会議を開催し,生息状況や保護施策等の情報提供,意見交換などを行うなど,普及啓発や保全対策の推進に取り組むことといたしております。
次に,アユモドキの生息状況についてでございます。現時点での環境省による生息の確認は,お話の本県瀬戸町万富を初め,岡山市,瀬戸内市,そして京都府の京都市,亀岡市とされております。なお,琵琶湖におきましては,この10年間生息が確認をされていないと聞いております。
以上でございます。


農林水産部長(藤原 師仁君)
お答えを申し上げます。
瀬戸内海の環境保全に関連いたしまして,赤潮の現状についてでございますが,瀬戸内海での発生件数は,昭和51年にピークの299件が発生し,うち18件で漁業被害を及ぼしましたが,その後減少し,昭和62年以降は毎年100件前後で推移しております。岡山県海域におきましては,平成13年4件,14年3件,15年2件,16年7件,17年は2件発生しておりますが,いずれも漁業被害は発生しておりません。
次に,藻場,干潟の現状でございますが,岡山県にはかって約4,300ヘクタールのアマモ場と約4,100ヘクタールの干潟が存在していたところでございますが,埋め立て等の開発や水質の悪化等によって,現在ではそれらの8割以上が消失をいたしております。県では,14年度から県東部でアマモ場の造成に,また,本年度から県西部で干潟の造成に取り組んでおるところでございまして,魚介類の生息の場やえさ場として重要な藻場,干潟の再生・拡大を推進いたしているところでございます。
次に,海底ごみの現状と対策についてでございますが,河川等を通じて海域に流出し,海底に堆積したごみは,底質の悪化や魚介類の生息場所,産卵場の荒廃を招きまして,小型底引き網等の操業の妨げともなっているところでございます。県では,日生町漁協の先駆的な取り組みをもとに,平成15年から漁協と連携して,底引き網にかかったごみの回収を進めることといたしておりまして,現在は日生,寄島,牛窓,笠岡の各漁協がごみの回収,陸揚げ,一時保管を行い,それぞれ市町のごみ処理施設で処理しており,17年は7.4トンを回収いたしております。県としては,県内はもとより,瀬戸内沿岸各県にも呼びかけて,このようなシステムづくりを瀬戸内海全体に広げたいと考えているところでございます。
以上でございます。


教育長(宮野 正司君)
お答えを申し上げます。
瀬戸町におけるアユモドキの保護についてでございますが,地元瀬戸町では検討委員会を設置し,アユモドキの保存活用に向け活発な取り組みがなされております。今年度,町では国の補助を受けまして,アユモドキの生息状況や生態調査を行うほか,一般住民を対象とした水槽展示などを行っております。また,アユモドキの種の保存や繁殖技術の確立のため,新たに人工増殖に取り組み,昨年8月にはそのふ化に成功しており,本年2月には人工増殖した幼魚を町内の小中学校などに配布し,児童生徒の保護意識の啓発を図っておられます。今後,町では生息状況や生態調査の成果を報告書にまとめるとともに,アユモドキの保全活用を図るための具体的な取り組みの計画を策定する予定であると聞いております。県教育委員会といたしましても,町の要望を踏まえ,文化庁に働きかけるなど,引き続き支援してまいりたいと存じます。
以上でございます。

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