■平成16年12月定例会
19番(吉田 政司君)
私にとりましては,ことし余り笑えない年ではありましたけども,今の話でまた元気になりました。ありがとうございました。
また,知事におかれましても,3選おめでとうございます。この4年間は,代表質問でも,うちの景山代表が申しました先送りされました社会保障制度に決着をつけねばならない。また,イラクなどサマーワの問題,平和の問題,そして教育基本法の改正など,本当に日本にとって重大な決断を下さなければならない激動の4年間であります。どうか知事におかれましては,笑ってごまかすのではなく,どうか県民が最後に笑えるような,こういった賢明なかじ取りをどうかよろしくお願いいたします。
公営住宅の整備、協働の区分と支援についての明確化を!
それでは,余り笑えない話題につきまして,通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。
まず最初は,協働という言葉と県営住宅の運営についてお伺いしたいと思います。
このたびほど協働という言葉が登場したこともないと思います。振興局再編に関する全員協議会での質問でも触れましたが,この協働という概念はしっかり定義しておかなければならないと思います。「新世紀おかやま夢づくりプラン」には,「夢づくりの共有と協働」の中で「夢づくりの目標を共有し,同じ目標に向かって,それぞれの立場で役割を担い,力を合わせて協働しながら,活力ある地域づくりに取り組む」云々とあります。しかし,これだけでは,なぜ今これまでに協働という言葉が強調されるのかよくわかりませんが,それぞれの立場の役割分担の中身に変化が出てきたのではないかと思っております。
この県営住宅と協働の問題ですが,県と入居している住民のいわゆる町内会との役割分担の話であります。以前から課題になってきております県営住宅の高齢化の問題がございます。老人力とも言われてはおりますけれども,支える老人もいなくなればどうなるのでしょうか。現在では,町内会がなくなってしまった団地もあるようであります。一般の開発された団地もそうでありますけれども,県営住宅を初めとした公営住宅も御多分に漏れず高齢化問題で悩んでいるわけであります。ある時期から高齢の単身者の入居が可能になってきたのでありますけれども,最近では痴呆の方の入居もあるように聞いております。先ほど申しました,ある程度は御近所で支え合うことが大事でありますけれども,これも一定の限度を超えてきますとそうはいきません。
そこで,ここまで高齢化が進んでしまいますと,町内会,自治会にだけ任せるのではなく,仕組みとして何らかの支援が必要ではないかと思います。位置づけとしましては,ケアつき住宅と開発された団地との中間あたり,こういったものを想定して考える必要があるのではないかと思いますけども,単身者の入居を可能にした以上,当然痴呆の懸念のある方も入居する可能性はあります。しかも,公営住宅ですから,困難な問題を何でも自治会に役割分担させるというのではなく,むしろ支援,手当てが必要ではないかと思います。協働は,県民の声をしっかり取り上げていくことのように聞いていますので,都合のいいところだけは声を聞くというのではなく,この公営住宅における高齢化の問題は,すぐれて時代的課題でもあり,ある意味での協働というものを考える非常に大事な課題であると思っております。つまり,どちらかといいますと,ごみの分別とか道路の清掃などのアダプト事業なども,本来行政がしていた事業の住民への肩がわりであり,その傾向はますます強くなってきております。それが悪いとは言いませんが,そろそろどこまでが住民に肩がわりしてもらえるのかの線引きをしっかり検討する時期に来ているのではないかと思い,この質問をさせていただいております。御所見をお伺いいたします。
県営住宅内も,階段の手すりの設置など安全にも取り組んできてはおられますが,幾分にも段差の解消など限りない課題がございます。計画的にお取り組みされるより仕方がないとは思いますが,ユニバーサルデザイン,バリアフリーの時代に入っており,世の中が言われるようなインフラ整備が早急に整うことを期待をしておりますけども,整備の方針についてお伺いしたいと思います。
アユモドキの保護について
次に,アユモドキについて伺います。
昨年の9月に,この場におきまして,アユモドキの保護について伺いました。再度伺います。これは,瀬戸町の用水で発見されましたアユモドキの稚魚が,これまでに確認された全国でも唯一の産卵地として貴重な発見となった。これを踏まえての質問でありました。そのときの知事の答弁では,「アユモドキでありますけれども,絶滅の危険性が極めて高いアユモドキの産卵地が瀬戸町内で確認されたということは,これは大変貴重なことでありまして,私といたしましては,このような天然記念物の保護につきましては,当然前向きに対処していくべきものと考えております。」,また「県教育委員会に対しましても,保護のあり方につきまして適切なる支援を行うように伝えておりまして,瀬戸町におかれましても,引き続き前向きなる対応をしていただくように願っているものでございます。」と,また教育長は,「県教育委員会といたしましても,アユモドキの自然繁殖地が発見されましたことは,全国的にも大変貴重であると認識をいたしておりまして,本年度中に出される町の検討委員会の報告を踏まえまして,文化庁とも連携し,適切な保護について,瀬戸町教育委員会に対し指導助言をいたしてまいろうと,このように考えております。」という答弁を昨年いただきまして,これも冷静になり読んでみますと,笑ってごまかされたような答弁だったような気がいたしますけども,その後どうなったのか,改めて知事の御所見,また教育長には,町に対する支援の状況と今後の方針についてお伺いをしたいと思います。
弱視・斜視治療用矯正眼鏡に対する保険適用を!
続きまして,弱視・斜視治療用矯正眼鏡について伺います。
弱視といいますのは,眼鏡やコンタクトで矯正しても視力が出ない目のことを言います。裸眼視力がたとえ0.1であっても,眼鏡などで矯正して1.0の視力が出れば弱視とは言いません。弱視の原因は大きく2つに分けられます。1つは,先天性の白内障などの重い目の病気があるなどが原因で視力が悪いもの。もう一つは,視力の発達する2,3カ月のころから3歳ごろまでの幼児期に斜視や強度の屈折異常,これは遠視,近視,乱視などがありますが。鮮明な映像を映していない目から得られた情報が抑制され,正常な,もしくは異常の少ない目のみが働くようになり,視力が上がらなかったものであります。特に,屈折異常が原因の場合は,原因に適切な対処をすることにより視力の改善が望めるわけであります。治療は,低年齢であればあるほどよい結果が期待できます。一般的に,8歳から10歳程度で視力の発達はとまるものと考えられておりますが,個人差も大きく,7歳で弱視に気づいた場合でも矯正視力が1.0までに回復したケースもあるようです。これはいわゆる就学前の健診で気がついたという,こういった場合であります。弱視治療の基本は,何といいましても,眼鏡による屈折矯正だそうです。眼鏡で矯正して網膜にピントをきちんと合わせ,鮮明な像を脳に送り,視機能の発達を促すことが治療の基本となります。また,片方の目のみが特に視力が悪い場合には,健全な方の目をアイパッチと呼ばれる大きなばんそうこうのようなもので遮へいしたり,やはりよい方の目にアトロピン等の目薬を点眼し,わざと見えにくくして,悪い方の目の視力の発達を促す方法も多くとられているそうであります。弱視の目は疲れやすいものです。小さい間は余り不便を感じることもないかもしれませんが,学校に行くようになると,長く教科書を読むことがつらくなったり,勉強に集中することができないかもしれません。また,大人になって不便を感じるようになったとしても,目の成長がとまってしまった後には,手の施しようがありません。両目ともある程度の矯正視力がなければつけない職も,数は減りつつありますがまだあります。何よりも完全な方の目に何かあったときには,悪い方の目だけで生活をすることになるのです。最悪の事態も考慮に入れて,できる限りのことをしていくことが大切であります。
この児童の眼疾患治療に必要な装具等に保険給付を求める動きが今あります。厚生労働省は,眼鏡は療養費の支給対象となる補装具から外すとの通知を出しておりますが,これに対し,児童の治療用眼鏡,コンタクトレンズ等は治療用装具であり,被保険者として,保険者から療養費の支給を受ける権利がある,また,こういった事例も若干出始めておりますから,被保険者に対しまして保険申請を勧め,保険者には療養費の支給を行ってもらえるよう要望していこうというものであります。専門家の中にも,乱視,近視の眼鏡とどう違うのかといった判断が困難な面がありますが,治療材としての矯正用の眼鏡は全額自己負担で,1個当たり3万円くらいかかるそうであります。幼児期には数回の交換が必要になってきているようであります。
そこで,この弱視・斜視治療用矯正眼鏡に対する保険適用をどのようにお考えになるか,また国に要望していただくお考えはないか,さらに県による補助制度などは考えられないか,あわせて保健福祉部長にお伺いいたします。
県税の収納率向上についての提案
次は,県税の収納率向上に向けてお伺いしたいと思います。
第3次行革の2年目の予算編成を前にいたしまして,予算の作成の方針もどうしても歳出をいかに抑えるかが中心になりますが,一方,歳入の問題も大切であります。1分1円を大切にとも言われますが,一つ一つのことを丁寧に対応することが大切になります。
そこで,以下,総務部長にお伺いいたします。
まず,岡山県の近年の県税の収入率及び滞納の金額と滞納整理の状況はいかがでしょうか,お伺いいたします。
次に,先日,東京都で全国地方税滞納整理部門責任者会議,いわゆる徴収サミットが開催されました。47都道府県を初め13政令指定都市などの責任者が一堂に会し,滞納整理部門における先進的な取り組みや滞納整理をめぐる事例発表,意見交換が行われました。滞納金の徴収も,その徴収コストや方法などまだまだ工夫改善の余地があるのではないかと思います。長引く不況や景気の低迷,失業者の増加などの時代背景からも,税などの収納も厳しいものがあると思います。悪質なものだけではなく,効率的な徴収の仕組みが必要ではないかと思うのです。先ほどの徴収サミットでも紹介されていたと思いますが,電話による自動催告システムが効果を上げているようであります。従来の書面による催告の繰り返しと,最終的には職員の訪問という流れに変わり,電話を使用するというものであります。初めに,滞納者リストからシステムが自動的に滞納者に電話をかけます。滞納者が電話に出ると職員につなぎ,職員のパソコン画面に滞納者情報を表示します。職員は,パソコン画面を見ながら催告業務を行うことができます。つながらない電話は,つながったこと,つながらないことをシステムが情報として取得し,そのまま次の滞納者に電話をかけていきます。このようなシステムですから,職員はつながった電話の催告折衝に専念できるわけであります。最近の導入実験の報告では,電話がつながらなかった場合と比較して,電話がつながった場合の収納が2倍近い効果を上げているところもあるようであります。徴収コストがつきまとうこの問題であります。本県でも導入を検討すべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。
また,これに限らず,本県における滞納整理の取り組み状況及び今後の方針についてあわせてお伺いをいたします。
精神障害者の社会復帰の体制について
最後に,精神障害者の社会復帰の受け皿についてお伺いします。
報道によりますと,厚生労働省は,本年9月に出した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の中で,「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神障害者福祉施策の基本的な方向を示し,精神病院に現在入院している人のうち受け入れ条件が整えば退院可能な者,これが全国で約7万人ぐらいいるそうでありますけども,その人たちについて今後退院促進を図っていく方針ということが報道されておりました。病状が安定しているにもかかわらず,長期入院を強いられる状況も問題であろうかと思いますが,一方で,地域住民が安心して受け入れることができるような手だてを打つことも必要であります。このような方々の受け皿について,どのようにお考えになっておられるのでしょうか,御所見をお伺いいたします。
以上で質問を終わります。どうか明確な御答弁をよろしくお願いいたします。
知事(石井 正弘君)
公明党の吉田議員の質問にお答え申し上げます。
その前に,先ほどは,私の3選につきまして,お祝い並びに激励のお言葉を賜りまして,ありがとうございました。激動の時代,これからも全力で岡山県発展のため,粉骨砕身の努力をしてまいる所存でございます。
県営住宅につきまして,協働と県営住宅の運営についての御質問でございますが,入居者の決定,入居条件の遵守などにつきましては,これは設置管理者であります県の責任で行っておりまして,団地町内会は地域の町内会と同様の自治組織といたしまして,団地内の庭,通路などの共同施設の運営,維持管理などを行って,県と町内会がそれぞれの役割を分担しながら運営をされるべきものであると基本的には考えております。現在,町内会員の高齢化など,社会的問題が生じているところでございますが,今後とも,県営住宅の円滑な運営が図られますように,町内会と協働して取り組んでまいりたいと存じます。
バリアフリー整備でありますが,建てかえをする県営住宅におきましては,その機会をとらえまして,段差の解消,手すりの設置,廊下の拡幅など,だれもが使いやすいユニバーサルデザインの考え方を導入しております。また,その他の県営住宅につきましては,階段への手すりの設置や玄関ドアをレバー式に取りかえる工事などを順次進めております。これからも,この方針に沿いまして整備を進めてまいりたいと思います。
アユモドキの保護でありますが,地元瀬戸町では,アユモドキの保存・活用に向けましたさまざまな取り組みがなされていると聞いております。また,本年7月には,アユモドキが環境省の国内希少野生動植物種に指定されたこともありまして,保護の重要性はますます高まってきていると認識をしております。私といたしましても,教育委員会と連携をしながら,できる限りの前向きの対応をしてまいりたいと思っております。瀬戸町からのフロンティアの事業の取り組み,こういったことにも県として支援をさせていただいております。具体的な中身につきましては,教育長の方から後ほど答弁があろうかと思います。
精神障害者の社会復帰の受け皿づくりでありますが,県では,第2期障害者長期計画に沿った精神障害者グループホーム,地域生活支援センター等の整備や,心の健康づくり県民講座事業等によります精神障害者に対する偏見の解消に努めてきております。精神障害者の社会復帰を促進していくためには,何よりも地域の人たちの理解と支援が重要であると,このように考えておりまして,保健所,精神保健福祉センター等が中心となりまして,市町村,精神科医療機関等と連携をいたしまして,地域ぐるみでの支援体制の整備を図ってまいりたいと存じます。
以上でございます。
総務部長(前田 一浩君)
お答え申し上げます。
県税の収納率向上に向けた取り組みについてお尋ねいただきました。
まず,滞納等の状況についてでございますが,厳しい経済状況が続きました結果,収入率は低下傾向にございまして,また滞納額も増加傾向にございますが,平成15年度の収入率は96.1%,滞納額は約68億円と,前年度に比べまして,収入率につきましては横ばい,また滞納額につきましては1,200万円増加しているという状況でございます。
滞納整理の状況につきましては,市町村が徴収いたします個人県民税を除いた平成15年度の滞納額約44億円のうち,その約4割を占めます約16億円につきまして差し押さえ等を行っておりまして,今後,換価処分等による税収の確保を図るとともに,残る滞納額につきましても,納税交渉による納付や差し押さえ等,厳正な滞納処分に努めることとしております。
次に,電話による自動催告システムについてでございますが,効率的な電話催告ができるということから,一定の効果はあると認められるというふうに考えております。しかしながら,納税交渉の結果がそのまま納付に結びつく割合や収入率向上への反映度を十分検証いたしますとともに,導入に要する経費等との費用対効果を総合的に検討する必要があるものと考えております。いずれにしましても,今後,こうしたシステムを含めまして,効率的な徴収対策につきまして研究してまいりたいと,かように考えております。
最後に,この滞納整理等にかんがみまして,その他の取り組みということでございますが,税収の確保はもとより,税負担の公平性を確保するという観点から,滞納整理への取り組みというものは大変重要なものであるというふうに考えております。このため,夜間催告,市町村との連携による個人県民税の共同徴収等に取り組むとともに,本年度からは徴収嘱託員による訪問徴収というものを実施しております。これにつきましては一定の成果を上げているものと,かように考えております。また,休日徴収にも取り組んでおりまして,先日,12月5日の日曜日にも実施したところでございます。今後とも,効果的な滞納整理に積極的に取り組むことによりまして,滞納額の縮減になお一層努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
保健福祉部長(宮嵜 雅則君)
お答え申し上げます。
弱視・斜視治療用矯正眼鏡についてでございますが,保険適用や県による補助制度などのお話がございましたが,医療保険は疾病,負傷等に対して療養の給付を行うものであり,眼鏡は一般的にこれに該当しないとされておりますが,国においては,療養の給付の対象とするか否かは,医学会等の見解を踏まえて検討するとしておりまして,県としてはその動向を見守ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
教育長(宮野 正司君)
お答えをいたします。
アユモドキの保護に対する町への支援についてでございますが,現在,地元瀬戸町では,検討委員会を設置し,アユモドキの保存・活用に向け活発な取り組みがされております。今年度は,県のフロンティア21地域活力創出支援事業を活用しながら,アユモドキの保護を目的とした生態調査の実施,一般住民を対象とした展示やシンポジウムの開催,小中学生を対象とした水辺教室を行うなど,普及啓発活動を実施しておられまして,保護に対する機運は高まりつつあると考えております。県教育委員会では,文化庁とともに,当初からこの検討委員会に参加し,アユモドキの適切な保存や活用方法について指導助言を行ってまいりました。今後,町では,保存・活用に向けて新たにアユモドキの人工増殖を計画するとともに,調査・展示等の普及事業も継続することとされておられます。県教育委員会といたしましても,町の要望を踏まえ,文化庁に働きかけるなど,引き続き支援をしてまいりたいと存じます。
以上でございます。 |